書籍紹介
「サンプリング定理」などはデジタルオーディオの仕組みを理解するための必須知識です。が、ハイレゾの効果説明などで用いられる際には解りやすさを優先するがゆえに疑似的説明が多く、「デジタルはカクカク」といった誤解を招いています。もちろん、数学や情報工学としての解説は数多存在しますが、数式が読めないオーディオファンには理解できません。
そのため、ハイレゾの効果などにつき都市伝説のような説が横行しているのが実情です。
本書では、PCのオーディオアプリケーションを駆使してDAC処理のシミュレーションを波形で示すなどの工夫を凝らすことにより、“数式を用いない”のに“解りやすい”にもかかわらず“疑似的ではない”説明を実現しています。そのため、微積分式は解らないオーディオファンでも感覚的・概念的に「サンプリング定理」などが正しく理解できます。
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電子版 ¥1,500 小売希望価格(税別)
印刷版 ¥1,800 小売希望価格(税別)
発行日:2019/02/08
発行社:インプレスR&D
ページ数:136(印刷版)
ISBN:9784844396833
第1章 サンプリング定理
1-1 サンプリング定理と音波
1-2 サンプリング定理のしくみ
1-3 理想と現実
第2章 DA変換
2-1 イメージングノイズ
2-2 オーバーサンプリングデジタルフィルター
2-3 アップサンプラー
2-4 位相応答
2-5 インパルス応答と原波形復元
2-6 DA 変換とPCM オーディオ
第3章 ハイレゾ
3-1 ハイレゾとは何か
3-2 リアルサンプルと復元サンプル
3-3 ハイサンプリングと周波数成分
3-4 ハイサンプリングの効果
3-5 ハイビットとリコンストラクション
3-6 ハイビットの効果
3-7 比較試聴するなら
立教大学理学部卒、1986年株式会社リコー入社。ファクシミリのハーフトーン画像処理、テレビ会議用音声CODECおよび音響エコーキャンセラーのデジタルシグナルプロセッサー(DSP)へのインプリメント、業務用カラオケ装置のデジタル音声エフェクトなどを手掛ける。産業用PC事業の企画リーダーを務めるなど、DOS/Vパソコンにも詳しい。CDは1999年頃からリッピングして聴いており、USB-DDCで変換したS/PDIFのDACユニットでの再生やグラフィックカードとAVアンプのHDMI接続など、さまざまなファイルオーディオ再生方法を実践。現在はPCのパワーを活かし、高倍率デジタルフィルタリングしたPCMを高ビットレートDSDに変換して聴いている。