世界の再生可能エネルギーと電力システム 電力市場編

著者:安田 陽

世界の電力市場と日本の電力市場の基本を理解する

N01007

 3.11以降、日本国内では再生可能エネルギーへの注目が高まり、導入も進んでいます。しかし、その歩みは遅く、導入目標も高くはありません。欧米や他の国々では、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーの本格的な導入が始まっていることと比較すると日本国内は特殊な状況にあります。  このシリーズでは、再生可能エネルギーと電力システムの状況、将来予測、コスト&便益、社会受容性と電力情報(停電やコスト、将来計画、データ公開と透明性)について、図表を豊富に用いて網羅的に比較分析していきます。再生可能エネルギーと電力システムをめぐる世界と日本国内の状況の違い、その状況の違いを生みだしている誤った認識とあるべき姿について、しっかりと科学的に論じていきます。  シリーズ5冊目の本書では、電力市場を取り上げます。欧米では電力自由化が進み、各国・各地域で電力市場が形成されています。そして電力市場での取り引き、メカニズムによって再生可能エネルギーの普及が進んでいます。日本でも一般社団法人 日本卸電力取引所(JEPX)が設立され取引が始まっていますが、欧米に比べ市場取引が活発とは言えません。  この本では電力市場の基本、その仕組みについて紹介し、日本と欧米の比較も行います。

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基本情報

発行日:2020/07/31
発行社:インプレスR&D
ページ数:178(印刷版)
ISBN:9784844379003


目次

はじめに

第1章 電力市場そもそも論
 1.1 なぜ「市場」が必要なのか?
 1.2 なぜ「電力市場」が必要なのか?
 1.3 さまざまな電力市場

第2章 電力市場の世界:新旧比較から見えること
 2.1 30分同時同量制度 vs 計画値同時同量制度
 2.2 使用権契約 vs 確定数量契約
 2.3 給電指令 vs ディスパッチ
 2.4 中央給電指令所 vs 需給調整責任会社(BRP)
 2.5 需給調整市場 vs 時間前市場(当日市場)
 2.6 固定価格買取制度(FIT) vs フィードイン・プレミアム(FIP)
 2.7 ベースロード電源 vs メリットオーダー

第3章 世界の電力市場:欧州・北米との比較から見えること
 3.1 「欧州型」と「北米型」の市場設計の違い
 3.2 需給調整市場とリアルタイム市場
 3.3 分散型市場と強制プール制
 3.4 ゾーン制とノード制(郵便切手方式と地点別限界料金)
 3.5 欧米比較と日本への示唆

おわりに(本シリーズを締めくくるにあたって)
参考文献
著者紹介


著者紹介

京都大学大学院 経済学研究科 特任教授
1989年3月、横浜国立大学工学部卒業。1994年3月、同大学大学院博士課程後期課程修了。博士(工学)。同年4月、関西大学工学部(現システム理工学部)助手。専任講師、助教授、准教授を経て、2016年9月よりエネルギー戦略研究所株式会社 取締役研究部長。京都大学大学院 経済学研究科 再生可能エネルギー経済学講座 特任教授。
現在の専門分野は風力発電の耐雷設計および系統連系問題。技術的問題だけでなく経済や政策を含めた学際的なアプローチによる問題解決を目指している。現在、日本風力エネルギー学会理事。IEA Wind Task25(風力発電大量導入)、IEC/TC88/MT24(風車耐雷)などの国際委員会メンバー。
主な著作として「世界の再生可能エネルギーと電力システム 系統連系編」、「世界の再生可能エネルギーと電力システム 経済・政策編」、「世界の再生可能エネルギーと電力システム 電力システム編」、「世界の再生可能エネルギーと電力システム 風力発電編」、「送電線は行列のできるガラガラのそば屋さん?」、「再生可能エネルギーのメンテナンスとリスクマネジメント」(インプレスR&D)、「日本の知らない風力発電の実力」(オーム社)、翻訳書(共訳)として「再生可能エネルギーと固定価格買取制度(FIT) グリーン経済への架け橋」(京都大学学術出版会)、「洋上風力発電」(鹿島出版会)、「風力発電導入のための電力系統工学」(オーム社)など。