書籍紹介
IRとは何でしょうか。
第一に、IRは「教育機関の」意思決定を支援する活動と位置付けられています。違う言い方をすれば、個々の学生や教職員を支援するのではなく、組織体としての教育機関、あるいはその部局の意思決定を支援します。学生や教職員は、間接的な受益者になります。
第二に、IRは業務であると同時に研究であるということです。リサーチという言葉の二面性(調査・研究)も2つの意味を持つ原因の1つですが、日米ともにデータの分析・可視化を中心とした業務が先行している一方で、IR担当者による学術研究成果の発表や理論構築も行われるという現状は広く認識されています。
本書では、IRの組織、制度、実際に分析作業をするときの留意点などに注目し、基本的なノウハウの共有やテクニカルな課題解決に資することを目指しています。
本書の読者として想定されているのは、高等教育機関のIR担当者ですが、それ以外にも学部や研究支援関係のデータを扱う部署の職員、大学経営に携わる方にも目を通していただきたい部分が多々あります。IRのノウハウを知ることは、エビデンスベースあるいはエビデンスインフォームドによる意思決定への第一歩です。
本書の内容は、大学IRの必要性(第1章)から、組織の立ち上げ(第2章)、ルールの整備(第3章)、データ収集と公表(第4章)、「使える」データにするために必要なこと(第5章)、データ分析の入り口(第6章)、そしてIR活動の推進(第7章)と、最初から順番に読み進めることで、IR組織の立ち上げからIR活動を軌道に乗せるまでに必要なことや、具体的な取り組みのイメージをつかめるようになっています。
続きを読む
短くする
電子版 ¥2,200 小売希望価格(税別)
印刷版 ¥2,800 小売希望価格(税別)
発行日:2022/05/13
発行社:インプレスR&D
ページ数:266(印刷版)
ISBN:9784295601203
第1章 大学IRとは、なぜいま求められているか
第2章 どのようなIR組織を目指すか
第3章 ルールの整備
第4章 データ収集と公表
第5章 使えるデータにするために
第6章 データ分析の入り口
第7章 IR活動の推進
著者紹介(五十音順)
日本IR協会(にほんあいあーるきょうかい)
日本インスティテューショナル・リサーチ協会は、インスティテューショナル・リサーチに関する研究および実践について協力体制を組織し、国内及び海外におけるインスティテューショナル・リサーチ研究者・実践者や関係団体との交流と、研究および実践成果の普及を行い、もってインスティテューショナル・リサーチ活動の質向上に寄与することを目的としている。
相生 芳晴(あいおい よしはる)
学校法人上智学院 IR推進室 室長
井芹 俊太郎(いせり しゅんたろう)
神田外語大学 教育イノベーション研究センター 専任講師 修士(政策学・教育学)
今井 匠太朗(いまい しょうたろう)
東京工業大学 企画本部 准教授 博士(理学)
大石 哲也(おおいし てつや)
九州工業大学学習教育センター教授 博士(工学)
岡田 佐織(おかだ さおり)
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授 修士(教育学)
近藤 伸彦(こんどう のぶひこ)
東京都立大学大学教育センター准教授 博士(情報科学)
杉原 亨(すぎはら とおる)
関東学院大学 高等教育研究・開発センター 准教授 博士(ライブラリーサイエンス)
田尻 慎太郎(たじり しんたろう)
北陸大学学長補佐(情報・IR担当)、経済経営学部教授 修士(政策・メディア)、MA in Economics
塚本 浩太(つかもと こうた)(編集)
国際基督教大学研究戦略支援センター/IRオフィス 事務職員 修士(経済学)
椿本 弥生(つばきもと みお)
東京都立大学大学教育センター准教授 博士(学術)
西山 慶太(にしやま けいた)
専修大学教務部教務課 修士(体育学)
松田 岳士(まつだ たけし)
東京都立大学・大学教育センター教授、教学IR推進室 教学IRデータ管理・分析部門長 博士(国際コミュニケーション)
森 雅生(もり まさお)
東京工業大学情報活用IR室教授 博士(情報科学)