書籍紹介
2013年のMt.Gox社の経営破綻により、メディアをにぎわせた「ビットコイン」。しかし、Mt.Gox社は交換所のひとつであり、ビットコインのシステムが破綻したわけではありません。その後は懐疑と期待が入り交じったまま、デジタル通貨のひとつとして、ビットコインの存在感は増しています。では国民通貨がもつ合理性を超えて、ビットコインは我々によりよい社会をもたたらすのでしょうか。その議論は、ビットコインの仕組みをきちんと知ることから始まります。本書は、ビットコインの仕組みを詳しく解説し、その技術的特徴、設計思想を読み解きながら、ビットコインが抱える課題を浮き彫りにするとともに、未来の通貨はどうあるべきか、デジタル通貨の社会的役割を考えます。ビットコインの技術を理解し、その先にあるデジタル通貨の可能性やリスクについて議論するために、必要となる視点を提供します。
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電子版 ¥1,400 小売希望価格(税別)
印刷版 ¥1,800 小売希望価格(税別)
発行日:2017/02/17
発行社:インプレスR&D
ページ数:196(印刷版)
ISBN:9784844397526
はじめに
第1章 ビットコインの仕組み
1.1 ビットコインの全体像と技術の特徴
1.2 ブロックチェインとマイニング
1.3 取引とコイン
1.4 ビットコインネットワーク
1.5 この章のまとめ
第2章 ビットコイン狂想曲―あの騒動は何だったのか
2.1 2013 年はビットコインにとって節目の年
2.2 Mt.Gox 社の経営破綻を振り返る
2.3 サトシ・ナカモトは誰なのか
2.4 この章のまとめ
第3章 ビットコインの光と影
3.1 ビットコインは社会の何を変えるか
3.2 国民通貨との比較
3.3 乖離する目的と設計
3.4 ビットコインのリスク
3.5 ビットコインとビザンチン将軍問題
3.6 ビットコインとインターネット
3.7 この章のまとめ
第4章 デジタル通貨で創る未来
4.1 アルトコイン
4.2 自動化される世界
4.3 人間不在にならないデジタル通貨
4.4 この章のまとめ
おわりに ―デジタル市民社会のためのツールへ
1964年生まれ。「インターネットと社会」の研究者。日立ソフト(現日立ソリューションズ) などにエンジニアとして勤めたのち、 2000年より慶應義塾大学SFCへ。2006年、デジタル 通貨研究で博士(政策・メディア)。慶應義塾大学特任講師等を経て、現在、同大学SFC研究 所上席所員、および株式会社コインパス チーフアーキテクトとしてデジタル通貨の研究開発に従事している。福島のこどもたちのために活動する一般社団法人アカデミーキャンプ代表理事。著書『これでわかったビットコイン』(太郎次郎社エディタス)ほか。