書籍紹介
近年、欧米や中国では風力発電の導入が急速に進んでいます。ところが「日本は風力発電に向いていない」と言われることが多く、普及が進んでいません。しかし本当に「向いていない」のでしょうか? 世界各国は今、どのような状況にあり、世界の中での日本の立ち位置はどのようになっているのでしょうか? 本書は、風力発電に関する日本ではあまり知られていない数々の情報を、データやグラフを多数用いて分かりやすく紹介しています。このような「ファクトチェック」を行うことにより、風力発電に関する誤解をひとつひとつ解消することができ、風力発電の有用性や将来性が分かってきます。 本文は、各項目に設問を設けるQ&A形式になっています。基礎知識から専門的な最新情報まで幅広い内容を扱うととともに、クイズ形式で、わかりやすく楽しみながら読み進むことができます。これにより風力発電について、データとエビデンス(論拠)に基づいたしっかりとした知識が身に付きます。
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電子版 ¥900 小売希望価格(税別)
印刷版 ¥1,400 小売希望価格(税別)
発行日:2017/03/31
発行社:インプレスR&D
ページ数:140(印刷版)
ISBN:9784844397625
本書の構成とコンセプト
第1章 風力発電の技術動向
1-1 そもそも「風車」って何?
1-2 風車の大きさ比較
1-3 風力発電所とウィンドファーム
1-4 風力発電所の大きさ比較
【コラム】大きな数字の表し方
1-5 風車のユニークな特徴 その1:タービンって何?
【コラム】ファクトとエビデンス
1-6 風車のユニークな特徴 その2:風車のブレードはなぜ細い?
1-7 風車の効率とエネルギー回収期間
【コラム】再び、エビデンスについて
1-8 風車の設備利用率と稼働率
第2章 風力発電データの国際比較
2-1 風力発電の設備容量世界ランキング
2-2 風力発電と原子力発電の比較 (1)
【コラム】電力と電力量のはなし
2-3 風力発電と原子力発電の比較 (2)
2-4 風力発電と太陽光発電の比較
2-5 風力発電の導入率世界ランキングと導入実績
2-6 世界の電源構成の変化
2-7 世界の風車密度
第3章 洋上風車と風力発電の将来
3-1 洋上風力発電の設備容量世界ランキング
3-2 洋上風力発電所の大きさ比較
3-3 洋上風力発電の歴史と発展
3-4 世界と日本の風資源
3-5 日本の風力発電のポテンシャル (1)
3-6 日本の風力発電のポテンシャル (2)
3-7 風車メーカーの世界ランキング
3-8 日本の風力発電市場シェア
3-9 世界各国の将来目標
おわりに
最後の質問
参考資料
著者紹介
京都大学大学院 経済学研究科 特任教授
1989年3月、横浜国立大学工学部卒業。1994年3月、同大学大学院博士課程後期課程修了。博士(工学)。同年4月、関西大学工学部(現システム理工学部)助手。専任講師、助教授、准教授を経て、2016年9月よりエネルギー戦略研究所株式会社 研究部 部長 ならびに 京都大学大学院 経済学研究科 再生可能エネルギー経済学講座 特任教授。
現在の専門分野は風力発電の耐雷設計および系統連系問題。技術的問題だけでなく経済や政策を含めた学際的なアプローチによる問題解決を目指している。現在、日本風力エネルギー学会理事。電気学会 風力発電システムの雷リスクマネジメント技術調査専門委員会 委員長。IEA Wind Task25(風力発電大量導入)、IEC/TC88/MT24(風車耐雷)などの国際委員会メンバー。
主な著作として「日本の知らない風力発電の実力」(オーム社)、翻訳書(共訳)として「洋上風力発電」(鹿島出版会)、「風力発電導入のための電力系統工学」(オーム社)など。