書籍紹介

DXのためのビジネスモデル設計方法 改訂版 ビジネスアーキテクトの必須知識

著者:幡鎌 博

DXに取り組む企業の方に、経済産業省のビジネスアーキテクト向けの知識をまとめた書籍

N01833

 本書は、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関わっている方の中で、特にビジネスアーキテクト(経済産業省が提唱するDX推進スキル標準の7つの役割の中の1つ)として推進されている方や今後取り組む方に向けた書籍です。  

ビジネスアーキテクトの役割の中で、ビジネスモデルの構築が一番困難と思われます。かなり創造的な仕事であるため、方法論をしっかり学ぶ必要があります。そのため、本書では、DXにおいてビジネスモデルを分析・設計するための知識や手法などを具体的に理解していただくことを狙いとして、ビジネスモデルをどのように立案して組み立て、どのように評価・検証するかという一連の方法を紹介します。特に、ビジネスモデルキャンバス等の従来の方法論を使ってビジネスモデルの検討がうまくできなかった方には、お勧めします。  

DXによる新事業/新サービスを実施する際には、どのようなビジネスモデルを採用するかが大きなポイントとなります。適切なビジネスモデルで収益構造を確立できるかが成功の条件となるためです。また、ビジネスモデル次第では、とてつもなく大きなビジネスチャンスを狙える可能性も出てきます。特に、プラットフォーム化できれば戦略上強力なポジションを得ることにつながるため、プラットフォーム化の検討が望まれます。業界の構造を変えてしまうディスラプターが業界の外から突然出現するかもしれない現在、先んじて対抗する方法を考えておくべきでしょう。  

本書は啓蒙書や入門書ではなく、読者には、経営学やIT技術の知識をある程度持つ方を想定しています。そのため、基本的な用語についての説明は最低限にしているので、分からない用語などは必要に応じて書籍やネット等で調べながら読み進めていただければと思います。

*本書は、インプレスR&Dより2020年に刊行した『DXのためのビジネスモデル設計方法』の改訂版です。初版から内容を変更している主な点としては、ビジネスモデルの4つの視点を3つの視点に変更して独立の章(第4章)とし、「事業の狙いの方向性」は検討段階の内容として別の章(第5章)に組み入れるように変更しました。追加した主な内容は、DX推進スキル標準やビジネスアーキテクトの説明(第2章)、ビジネスモデル実現ダイアグラムなどを用いてビジネスモデルの検討をより具体化した内容(第5章)、DX人材育成・推進方法(第6章)などです。その他、最新のDXの動向・事例なども関連する章で追加しています。

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基本情報

発行日:2023/07/28
発行社:インプレス NextPublishing
ページ数:190(印刷版)
ISBN:9784295602286


目次

第1章 デジタルトランスフォーメーションの現状
第2章 DX推進スキル標準とビジネスアーキテクトの概要
第3章 ビジネスモデルの定義・記法と従来の設計手法の課題
第4章 ビジネスモデルの構造化
第5章 DXでのビジネスモデルの実現のための手法
第6章 DX人材育成、推進方法、役立つ制度
第7章 プラットフォーム事業のビジネスモデルの検討方法


著者紹介

幡鎌 博(はたかま ひろし)
合同会社 デジタル・ビジネスモデル研究所 代表。博士(システムズ・マネジメント)(筑波大学)。
静岡県出身。1982年京都大学理学部を卒業し、富士通株式会社に入社。在職中に筑波大学大学院を修了し博士号を取得。2003年文教大学 情報学部助教授。准教授を経て、2011年教授。
2020年より現職。現在も複数の大学で非常勤講師を務める。
主要著作:
「eビジネス・DXの教科書」創成社、単著、2022年2月。
「ITマネジメント・エッセンス」(社会人研修用テキスト) 産業能率大学 総合研究所、2018年3月初版。2023年3月に第4版。約7割を執筆。
「発明のコモンズ」創成社(新書)、単著、2010年8月。