書籍紹介

NLL言語入門 プログラミングで算数を解く

著者:坂井 弘亮

算数の問題を解くために、それに向いた独自言語を用いることでプログラミングが簡単になり、また少ない行数で解くことができる

N02162

本書は「プログラミングによって算数の問題が解けるということをテーマとして、それに向いた言語を学ぶ」という、実験的に書いた書籍です。
たとえば2つの数の最大公約数を探そうとしたら、教科書的なやり方ではそれらの数の約数を調べ、公約数となっているものを掛け合わせるといったことが必要になります。
しかしプログラムでは、1から順の数で手当たり次第に割ってみて、余りがゼロになる数で最大のものとして調べることができます。
つまり「導く」のではなく、「探す」という求め方ができるわけです。
このような方法は「総当たり」と呼ばれますが、コンピュータに非常に向いた課題解決方法と言えます。つまり算数の問題を、教科書で習うような論理的な方法ではなく、総当たりで計算力に任せて解くことが可能となるわけです。
算数的な解きかたでは「いかに少ない計算量で解くか」という視点に偏りがちです。これは人の手で計算することが前提にあるためです。
しかし「計算量は多くてもいいので、いかに簡単な理屈で解くか」という方法を考えることが算数プログラミングの醍醐味です。

本書では、筆者が開発しているNLLというプログラミング言語を利用します。
NLLは、小学生くらいの子どもがプログラミングを学習することを想定して開発しているプログラミング言語です。そしてその特徴は、NLLは算数の問題を解くといったような「1画面に収まりきるくらいの短いプログラム」を短時間で書くことに適している、というところにあります。
理解しなければならない文法事項や概念を極力廃止し、数個のコマンドを覚えれば、あとはただ行単位で読んでいくだけでプログラムを理解できるように設計されています。

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基本情報

発行日:2024/09/13
発行社:インプレス NextPublishing
ページ数:242(印刷版)
ISBN:9784295603399


目次

第1章 NLLを始めてみよう
第2章 計算をしてみよう
第3章 グラフィックを使ってみよう
第4章 変数を使ってみよう
第5章 プログラムを記憶させよう
第6章 ループを回そう
第7章 条件で処理を変えよう
第8章 グラフィックでいろいろ描く
第9章 算数の問題を解く
第10章 グラフィックで算数を
第11章 いろんなループ
第12章 文字列を扱う
第13章 小数点を扱う
第14章 数当てゲームを作る
第15章 配列を使う
第16章 もっと算数の問題を解く


著者紹介

坂井 弘亮(さかい ひろあき)
幼少の頃よりプログラミングに親しみ、独自組込みOS「KOZOS」の開発、多種CPUのアセンブリ解読などの活動を経て、現在は独自Unix互換環境プロジェクト(NLUX)にて独自標準Cライブラリ(nllibc) 、独自Cコンパイラ(nlcc) 、独自プログラミング言語(nll)等を開発中。

雑誌記事・書籍執筆多数 
(「12ステップで作る組込みOS自作入門」(カットシステム)、「大熱血!アセンブラ入門」(秀和システム)、「リンカ・ローダ実践開発テクニック」(CQ出版)など)

アセンブラ短歌六歌仙のひとり(白樺派)
バイナリかるた・バイナリ駄洒落エバンジェリスト
技術士(情報工学部門)

他、セキュリティ・キャンプやSecHack365などの講師・運営、各種オープンソース・ソフトウェアの開発、イベントへの出展やセミナーでの発表などで活動中。