書籍紹介

日本の電力ネットワーク改革 送電線・配電線をめぐる諸問題の経緯と展望

著者:山家 公雄

日本の電力改革の肝となる「電力ネットワーク・送配電網整備」の動向と将来展望を紹介

N01229

 再生可能エネルギーの大規模導入、電力自由化など、欧米を中心とする世界では電力をめぐる大きな変革・革新が続いています。日本も10年近い遅れながら、再生可能エネルギーの普及、電力自由化が進展しつつあります。  このなかで地味ながら非常に重要なのが、電力ネットワークの整備、改革です。再エネの大規模開発、老朽化設備の更新、分散型システムの構築、ICT等の技術革新への対応などを背景に、遅れていた日本でも電力ネットワーク・送配電網の革新に向けた取り組みが始まっています。しかし、電力ネットワークの運用・整備に係るルールは、旧来の電力システムに最適化されており、新たな時代に対応した変革が動き出すまで、大きな時間がかかりました。  本書では、電力ネットワークの変革・革新に関わる「事件」を追いながら、その意義と課題、そして現在進行で激変しつつある日本の電力ネットワークの将来のあるべき姿を解説しています。

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基本情報

発行日:2020/09/04
発行社:インプレスR&D
ページ数:176(印刷版)
ISBN:9784844379102


目次

第1章 次世代電力ネットワークとは(その1):接続・運用・整備のルール改正
 1.1 電力ネットワークを巡る環境変化
 1.2 系統接続・運用ルール改正:東電PG方式を目指して
 1.3 3Eを促進する連系線・基幹線拡張
第2章 次世代ネットワークとは(その2):資金調達力を確保しつつ効率化実現
 2.1 インフラ整備・利用負担の見直し:公平性に向けた手直し
 2.2 託送料金制度改正
 2.3 異色のネットワーク料金:原発損害賠償負担金・廃炉費用
第3章 次世代電力ネットワークとは(その3):分散型システムとレジリエンス
 3.1 配電事業開放の背景
 3.2 送配電ネットワークの事業形態
 3.3 新時代の配電事業(ライセンス制度導入)とは何か
 3.4 地域レジリエンス対策を考える
 3.5 補論:分散型資源自立運転による停電回避
 3.6 第3章の最後に
第4章 北海道での再エネ開発が動かすネットワーク改革
 4.1 北本連系線が惹起する重要論点
 4.2 2019年の北本連系線拡充議論から考える
 4.3 第4章の最後に
第5章 東北での再エネ開発が動かすネットワーク改革
 5.1 北東北募プロが惹起する重要論点
 5.2 北東北募集プロセス問題に見る送電線問題の課題と進展
 5.3 東北北部エリア募集プロセスをどう評価するか
 5.4 第5章の最後に
第6章 東電PGが提案・実践する欧米型系統運用
 6.1 東電PG型の系統接続・運用の登場と経緯
 6.2 東電モデルとその意義
 6.3 日本版コネクト&マネージと東電PG方式
 6.4 第6章の最後に
第7章 梶山経産大臣発言の衝撃と意義
 7.1 7月3日梶山経済産業大臣発言の衝撃
 7.2 7月17日梶山大臣発言の意義
 7.3 産業政策の復活
 7.4 成るか、電力ネットワーク革新


著者紹介

エネルギー戦略研究所(株)取締役研究所長、京都大学大学院経済学研究科特任教授、豊田合成(株)取締役、山形県総合エネルギーアドバイザー。
1956年山形県生まれ。1980年東京大学経済学部卒業後、日本開発銀行(現日本政策投資銀行)入行。電力、物流、鉄鋼、食品業界などの担当を経て、環境・エネルギー部次長、調査部審議役などに就任。融資、調査、海外業務などの経験から、政策的、国際的およびプロジェクト的な視点から総合的に環境・エネルギー政策を注視し続けてきた。2009年からエネルギー戦略研究所所長。
主な著作として、「日本の電力改革・再エネ主力化をどう実現する」、「テキサスに学ぶ驚異の電力システム」、「送電線空容量ゼロ問題」、「「第5次エネルギー基本計画」を読み解く」(インプレスR&D)、「アメリカの電力革命」、「日本海風力開発構想―風を使い地域を切り拓く」、「再生可能エネルギーの真実」、「ドイツエネルギー変革の真実」(エネルギーフォーラム)、「オバマのグリーン・ニューディール」(日本経済新聞出版社)など。