周辺の状況

4月16日朝〜19日
ここでは、車で走ってわかった周辺事情やネットで分かった生活インフラの状況などをお伝えする。

●悲しかったこと

自分の中の大事なものが・・・

 今回の大地震で故郷が壊滅状態になってしまいましたが、私にとって一番ショックだったのは、実家の裏の納骨堂の姿を見たときでした。

 お墓の様子も見てみようと思い、足を運んだところ、いくつもの倒れたお墓の向こうに、ぺしゃんこに潰れてしまっている納骨堂の姿が目に入りました。納骨堂はコンクリートでできたしっかりした建物だった(少なくとも自分はそう信じていた)ので、まさか倒壊しているなど思ってもいませんでした。

 ここには、うちのご先祖さまも納骨されています。

 この姿を見たとき、子供の頃に遊んだことや、100歳で他界した祖母のことが思い出され、胸の奥から次々と込み上げて来るものを押さえることができませんでした。


 私の場合は、ありがたいことに実家は倒壊しておらず、家族に怪我もなかったので、このことが大きな悲しみだったのですが、それは、自分の心の中の大事なものが奪い取られるようで、屈辱的でもありました。この思いから、家が倒壊してしまった方々、家族を亡くされた方々のお気持ちがどれほど深く悲しいものなのか、その大きさは計り知れない、ということがわかりました。


 後で考えたことですが、倒れた家と倒れていない家では精神的な意味での被災程度は別物だと思いました。り災証明の判定基準では、家が倒壊かどうかではなく再建にかかるコストの程度で見ているようですが、倒壊した家の方には、何か別の慰謝料のようなものがあってもいいのではないかと思いました。