4月18日〜20日
避難所では、高齢者の方々が日々のトイレや睡眠などで苦労されていた。父も転んでけがをしてしまった。避難所生活は高齢者には酷だと思う。ここでは、避難所からの移転と、それに伴う実家での作業をお伝えする。
貴重品をある程度取り出した後、本当に大事なものとは何かをもう一度考えました。現金や貴金属が大事なことはわかっていますが、それ以外にも、人にとって大事なものがそれぞれにあるように思いました。それは、時間をかけて培ってきたものではないかと考えました。
父は私が子供の頃から、サツキ(ツツジの一種)の盆栽を趣味にしており、庭には鉢植えの盆栽がいまでも数十鉢置かれていました。水やりに神経を使うサツキの盆栽は、主を失ったら枯れてしまいます。とりあえずできることは、畑にじかに植え直してあげることでした。このうち1本でも生き残ってくれればという思いで、姉と一緒に植え直しました。
母は三味線の先生をしており、近所の方々に教えていました。一番いい三味線は姉が車で持っていってくれるとのことだったのですが、その他に練習用のものと、生徒さんのためにと母が自分で起こした譜面がかなりの量ありました。それらを持っていくことはできなかったので、最低限、雨に濡れないように大きなビニール袋で包みました。