避難所生活

4月16日朝〜19日
救援に来たつもりが、何と、自分も避難者になってしまった。ここでは、本震後の避難所生活の様子をお伝えする。

●メディアの使われ方

新聞、テレビが二大情報源 ケータイも大活躍

 仕事柄、メディアの利用のされ方が気になったので、いろいろ注意して見ていました。以下は、主にミナテラスで見た、避難所でメディアがどのように使われていたかの状況です。


新聞

 避難所には、地元新聞である『熊本日日新聞』と『読売新聞』が号外も含めて毎朝、全員が読めるくらい大量に無料配布されていました。被害状況、避難所情報、インフラ状況などの詳細把握にとても役立っていました。

テレビ

 テレビは玄関前に1台設置されていて、停電期間以外はずっとつけられていました。阿蘇大橋が落ちた映像が出たときなどは、落胆の声が漏れていました。やはり映像はリアリティーがあります。

 このテレビと新聞という伝統的メディアが、二大情報源になっていたと思います。

通信インフラ

 キャリアの通信回線は、信じられないことに一度も切れることなく利用ができていました。優秀でした。阪神淡路、東北などの経験から、対策がなされていたのだと思いました。それと、今回はダメージの大きいエリアが狭い範囲に集中していることが一因かもしれません。Wi-Fi(00000JAPAN)が無料で使えるという貼り紙がありましたが、実際はその電波は飛んでおらず、別の2つの有料サービスが動いていました。固定回線はありませんでした。私は安定性から自分のスマホのテザリングを使っていましたが、問題なく動きました。

ケータイ/スマホ

 高齢者も含めてほとんどの人が持っていて、高齢者はケータイで電話利用、若者はスマホ利用とはっきり分かれていました。

 電話は、頻繁に使われていて、家族、親族や友人との情報交換に利用されていたと思います。

 スマホの利用者は主に若者ですが、充電エリアに座り込みずっと画面とにらめっこしているやからが結構いました。何をやっているかまではわからないのですが、ソーシャルメディア(LINE、Facebookなど)が使われていたのではないかと想像しています。

ソーシャルメディア

 職員の人に聞いたところ、施設や職員側ではソーシャルメディアは利用していないとのことでした。しかし避難者や県民は利用しているようで、配給でカレーが出されたことがありましたが、それはツイッターなどで避難者からの情報が拡散し、それを見た近くの町の飲食店がボランティアで届けてくれたとのことでした。温かいカレーはとても喜ばれていました。

パソコン

 パソコンはほとんど使われておらず、避難所には100人くらいがいたのですが、私以外では職員も含めて一人だけでした。避難所に持って来てないだけかもしれませんが、日常的に利用されているようには見えませんでした。いまやスマホがその代わりをしているのかもしれません。

 施設側も、パソコンやネットワークをあまり利用されていないようだったのは意外でした。役場が機能停止していたので、その影響だったかもしれません。ただ、これまでの震災でも指摘されていましたが、避難所、役場、県庁などの役所間の情報ネットワークがしっかりできていれば、食材・物資の配給や人探し、道路情報など格段に効率が上がるのではないかと思いました。

書籍・雑誌

 こういう緊急事態では書籍・雑誌はあまり役に立たないと思っていましたが、18日頃に50冊くらいの本棚が設置され、ちょっとした癒やしになっていました。